アマヤドリ『銀髪』






    




《演劇》アマヤドリ




タイトル:『銀髪』



作・演出: 広田淳一


■■出演


笠井里美 倉田大輔


渡邉圭介 小角まや


榊菜津美 沼田星麻


中野智恵梨 石本政晶


相葉るか 相葉りこ


一川幸恵 宮崎雄真


中村早香


(以上、アマヤドリ)



小菅紘史(第七劇場) 伊藤今人(ゲキバカ/梅棒)


谷畑聡(劇団AUN) 武子太郎(クロムモリブデン


秋元雄基(アナログスイッチ) 遠藤杜洋


大塚由祈子 菊池鴻良


飯野愛希子 毛利悟巳


古澤美樹 根岸はるか


飯田紘一朗 門前竣也



■■スタッフ


舞台監督:橋本慶之
舞台監督助手:市原文太郎
舞台美術:中村友美
音響:角張正雄
照明:三浦あさ子
照明オペレーター:小沢葉月
衣裳:遠藤奈津美
ヘアメイク:増田加奈(ヘアーベル)
ヘアメイク助手:北山久美
文芸助手:稲富裕介
宣伝美術:山代政一
制作:斉藤愛子
当日制作:武藤香織/北澤芙未子/豆栗未来/Lee Chi-Yuan
演出助手:木村恵美子/石田麗/吉本真里奈/大竹成美/野村春香/犬養真奈
撮影:赤坂久美/bozzo
企画製作:アマヤドリ
主催:合同会社プランプル



■■日程・場所


2017年1月26日(木)〜1月31日(火)@本多劇場

エンタステージ




本多劇場に初進出したアマヤドリが混乱と狂乱に招く『銀髪』公演レポート








《感想文》アマヤドリ的なるもの




【演劇】アマヤドリ『銀髪』(感想1)


アマヤドリを観るきっかけはダルカラに出ていた小角まやさん繋がりなのだけど、笠井里美さんと中村早香さんをずっと前から観てると気づいて、特に中村さんは僕の記憶からいったん消えていたのだけど、



【演劇】アマヤドリ『銀髪』(感想2)


きょう観ていて初めは気付かなかったのだけど、その正確な動きを観ていて、「あれ、この動き、新人じゃないよな、この人、ずっと前に観たことがある!」と思い出した。たしかに出ていた。今更ながらアマヤドリは最近できた劇団ではなくずっと前からあった劇団なのだと実感した。


ハタハタ





【演劇】アマヤドリ『銀髪』(感想3)


ちなみに石本政晶さんもずっと前に見たことがある!と思ったのだけど、こちらはフジファブリックのキーボードの人との人違いであった 汗。。。

じゃ、『銀髪』とは関係ないけど、いい曲だから、ここでフジファブリックの『虹』をみんなで聴いてみましょう!




フジファブリックのキーボードのひと










【演劇】アマヤドリ『銀髪』(感想4)


『銀髪』は前回の『月の剥がれる』と同様に大きな物語であった。「だ・か・ら、これだけ大きな世界を描こうと思ったら2時間50分でもムリだって!!!」と説教したくなるような壮大な物語であった。



【演劇】アマヤドリ『銀髪』(感想5)


そんな大作を、無謀であっても演劇で描こうとする作・演出の広田淳一さんとその広田さんについてゆこうとする俳優たちの愚直さに、呆れつつもシンパシーを感じた。



【演劇】アマヤドリ『銀髪』(感想6)


演劇ではギリシア悲劇シェイクスピアがまだまだ上演されているので一概には言えないかもしれないけれど、「大文字の・・・」の不在が叫ばれて久しい。昨今では、文学も演劇も建築も扱うテーマが矮小化する傾向がつよい。



【演劇】アマヤドリ『銀髪』(感想7)


にもかかわらず、これほど壮大な物語を描こうとする広田さんは時代錯誤の愚者なのか!? 正直、どうなんだろ???



【演劇】アマヤドリ『銀髪』(感想8)


広田淳一さんの作品を観ていて感じることは、村上春樹を読むときにも同じく感じる。



【演劇】アマヤドリ『銀髪』(感想9)


ぼくらがなんやかんや言って村上春樹をいちおう読んでいたのは、同時代の空気を感じていたいといううわべの気持ちとともに、「この人はもしかしたら何か本質的なものをつかんでいるのかもしれない」という期待があったからだろう。






村上春樹『色彩を持たない多崎ながれと、彼の巡礼の年』










【演劇】アマヤドリ『銀髪』(感想10)


オウム事件であったり、9.11であったり、リーマンショックであったり、3.11であったり、トランプ現象であったり、現実にあまり引きづられすぎるのは確かによくない。



【演劇】アマヤドリ『銀髪』(感想11)


なぜなら、そんな大きな問題を考えたって、無謀だし、世の中を変えられないから。そんなことを妄想せずに、じぶんにできることをコツコツやるほうがいい。



【演劇】アマヤドリ『銀髪』(感想12)


ただ、この手の大きな問題を扱った作品が単にジャーナリスティックなアプローチならば全否定されてしかるべきだけど、もしその作品がなにかしら本質をつかんでいるならば、無謀であっても挑戦する価値はあると思う。



【演劇】アマヤドリ『銀髪』(感想13)


『銀髪』でいいなと思ったのは、思考の筋道を外していないこと。ビジネスの捉え方しかり、中絶問題しかり。印象的だったのが「自由/平等」の対比で、自由と平等というのは一見同じ側にあるようだけど、劇中で語られているとおり、自由は平等の対義語なのだ。



【演劇】アマヤドリ『銀髪』(感想14)


平等を選んだのが社会主義で、自由を選んだのが民主主義だ。そして経済競争を封印した社会主義社会で起こったのが権力闘争であり、粛清(パージ)だ。対して、経済競争を促進した民主主義社会で起こったのが富の一極集中であり、リーマンショックなのだ。



【演劇】アマヤドリ『銀髪』(感想15)


こういう押さえておくべき筋道を外していないから、広田さんの戯曲は壮大で、誇大妄想的であっても信頼できる。



【演劇】アマヤドリ『銀髪』(感想16)


ともあれ、あまりガチで考えると息苦しくなるから、『銀髪』をトランプ現象との関連性で読み解いてみるのがいいかもしれない。主人公の種吉をトランプだというのは安易かもしれないけれど。


トランプ『金髪』





【演劇】アマヤドリ『銀髪』(感想17E)


『銀髪』を観劇したことだし、最近はジョージ・オーウェルの『1984』や『動物農場』がよく読まれているようだし、せっかくだから2月にでる村上春樹の新作も読もうかな。














阪根タイガース


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