《写真展》Invisible moments
《写真展》Invisible moments
展示写真作家:
坂本政十賜
時間:12:00〜19:00
会期:6月29日(日)まで 会期中無休(無料)
ギャラリートーク:6月15日(日)16:00より
展示写真家×三島靖(編集者)参加費 ¥500
《私からのひと言》
見たことがあるような風景、どこでも見かけるような風景、でも・・・。
(・・・の部分は、みなさんも実際に足を運んで自ら感じ取ってみてください。)
私が来館したとき、幸いにも出展作家の湊雅博、山方伸両氏とお話することができ、大変貴重なお話を伺えました。ありがとうございました。(みなさんも来場されるならば15日のギャラリートークに参加されることをお勧めします。)
その際、湊氏が「よく観てるね」と私のことを褒めてくださいました。これほど良質な作品を撮る写真家がそうおっしゃるのだから、そうなのでしょう。
私は写真鑑賞の経験はまだ浅いのですが、絵画については岡崎乾二郎氏に手解きを受け、南川史門氏、荻野僚介氏、山内崇嗣氏といった画家や、松井勝正氏、石岡良治氏、上崎千氏といった美術史家と長らく議論し続けてきたので、そういった経験によって写真鑑賞にも通用する観る目が養われたのかもしれません。あと、あまり関係ないかもしれませんが、プロ野球のラジオ中継のスコアラーをやっていた経験も生きているかもしれません。何でもやってみるものです。
以下、私が鑑賞した際の《ファーストコンタクト》と《メモ》を紹介します。あくまでも参考までに。
《1.ファーストコンタクト》(※1)
坂本作品
有名な人?写真集は海外みたい。でもこれは阿佐ケ谷。定点。構図かな?福居さんの作品を見たときに良質と感じるのと同じインプレッション!?
福居作品
モニタースライドショー。この前、小山登美夫ギャラリーで見た写真が多い、というかそれ。深夜のシリーズをトリミング。モニターの反射が観る側の集中力をそぐ。(しばらくして、正面からではなく左に2歩行った所から斜めに見るとよいと湊氏に教えてもらう。)
湊作品
建設現場の痕跡。時間の積層。痕跡・テクスチャー・物質・素材・フラクタル・パターン・生命。自然のパターン・人工物のパターン(加工された石・鉄→人工/自然)。呼応・共鳴 !!
山方作品
なぜ、こういうカットを撮るのか?構図狙ってる。メッセージ性や物語性は拒絶していると言ってる(山方氏が他の来館者と話しているのを盗み聞きする)。セザンヌの絵のアプローチに近いか?ポリフォニー。1+1=3
《2.メモ 》(※2)
坂本作品
福居作品
※ 「オレの眼が勝った!!」はおそらく誤解されるので説明します。今回の福居作品はモニターが4台あり、それぞれが1ループ6分のスライドショーになっています。ですからかなりの枚数、情報量が鑑賞者に提示される訳です。また、もともと1枚の写真であった作品がトリミングされ数枚に分割されています。1枚の写真の時はどこを見てよいのか分からない人もいるでしょうが、今回は見るべきところをピンポイントでトリミングしてくれているので情報の確度は高いです。確度の高い情報をコマ送りにして多量に提示することで観る側が何を感じとるか。写真を並べて展示する場合とどういった違いを感じ取るか。それが今回の福居氏の狙いだったと思います。
それで結果を言えば、私の場合は「オレの眼が勝った!!」のです。「今回の展示」よりも「前回の小山登美夫ギャラリーの写真を並列させた展示」の方がより多くのものを、より豊かなものを私は感じ取りました。私の眼は「今回モニターで提示された多量の情報」以上の情報を1枚の写真からちゃんと読み取っていたということです。
ただ、今回の福居氏の展示が失敗していたという訳ではありません。福居氏自身まだ手探りという感じだろうし、まだまだ改良の余地があります。しかもこの展示手法ならば、写真の構造を凌駕するような事態も起こり得ます。あるいは逆に写真/映画の境界が曖昧となり、写真が自らの首を絞めてしまう危険性も孕んでいます。非常に興味深い試みです。
湊作品
山方作品
※1 実際にノートに書いた文面で意味が取りにくい部分等、多少手を加えています。
※2 厳密に言えば、「坂本作品」と「福居作品」に対するメモは会場でその場で書き、「湊作品」と「山方作品」に対するメモは家に帰ってから忘れないようにざっと書きました。ただ、後から色々考えて書いたということはなく、会場で考えていたことをメモに起こしたという感じなので、全てその場で書いたと思ってもらっても支障ありません。
《ニュース》
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