チェルフィッチュ『わたしたちは無傷な別人であるのか?』




(2月23日)観劇デー

  



チェルフィッチュ『わたしたちは無傷な別人であるのか?』@STスポット横浜を観劇。チェルフィッチュは2回目だったので学習してしまったからかもしれないけれど、すっごくいい観劇ができた。これをいったら作品を台無しにしてしまうから誰かはナイショだけど、とある人の画集を引っぱり出してきて眺めながら“しあわせ”な気分になっている。なう。






■ 2月の頭から多和田葉子論を書くと決めていて下読みをちびちびやってるのだけど、用事ができたらすぐにそっちをやっちゃうから全然先に進まないのだけど、たとえば試みとして日本人作家の小説を外国語で読むというのをやっている。これは多和田葉子さんが日本語とドイツ語で小説を書いているので、それを疑似体験しようというもので、でも小説は書けないから読むだけで、ドイツ語もできないから英語で、英語もろくにできないからラダーシリーズという簡易訳のRyunosuke Akutagawa『The Nose』を読んでいる。


ま、誰でも思いつくようなもんで下心丸出しで読んでいて、ほとんどあら探しのような読み方になっていて、もう疑似体験でもなんでもないのだけど、読んでいて「ああ、やっぱり違うわー」って言いたくて仕方がないのだけど、そんなことなくて全然OKで、文体にいちゃもんつけたいのだけどスルーしてしまって、やっとのことで見つけましたよ。ツッコミどころ。ふぅー。


「copying a sutra =写経」


ちがう!全然ちがう!ま、そうなるかもしれへんけどちゃう! コピーってボタン1つでって感じするやん! んっ? 英語ではコピーはゼロックスと言うだって? なんじゃそれ? もうとにかくあかんねん!!!


そういえば、この前中央線だったと思うけど、最新型の電車って扉の上にテレビついてるやん。それで○×英会話学校のCMが流れてて


「彼はパーティで浮いていた。」を英語で言うと何?


みたいな問題が出て、まず


×「He was floating at the party.」


という誤答例がでてきてブー!って。それでパックンが出てきて説明するの。これだと彼が空中に浮いていたになっちゃう。この場合の浮いているは空中に浮くのではなく周りに溶け込めていないという事で、


○「He was isolated at the party.」


正解!!


っていう感じだったかな。


でもさ、イラストで描かれていた「浮いた彼」は派手に振る舞っていて「空気が読めてない感じ」だったんだよね。けっして「集団に馴染めずに孤立している感じ」ではなかったんだよね。だから「He was isolated at the party.」もダメじゃないかって思ったの。


だから意味だけ通ってニュアンスが伝わらない英語を使うぐらいだったら、意味は通らないけど感覚的に思いついた英語を使ったってよくねーって思ってさ、「He was floating at the party.」って言って「えっ彼空中に浮いてたの?」なんて返答してくるアメリカ人がいたら「字義通り解釈するバカがおるか!」って一喝してやればいいと思うんですよ。英語わかんないから通じないけど。


なんの話だったっけ?


多和田葉子論?


もはや何の話だか分からなくなってしまったけど、こんなことをチェルフィッチュを観たあとに、チェルフィッシュ んっ? 言いにくな、チェルフィッチュ論でもないけど、思ったのでした。チェルフィッチュを横浜で観て、帰りの横浜線町田駅に着く前に、いやこうやって書いているうちに電車はすでに減速していて、もうそろそろホームに入る、いや入ったぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。止まった。町田駅に着いた電車のなかでノートに書いた。そして家でワープロで書いている、いや書いたのでした。


観劇をオススメします。


チェルフィッチュ『わたしたちは無傷な別人であるのか?』


日時:2月14日〜26日@STスポット横浜(当日券のみ)


   3月1日〜10日@横浜美術館


チケット: こちら

それから、あと俳優の山縣太一さんが、僕がノートを取りながら観劇していたのに気付いたようで、退場するときにチラッと覗いていって気になっているかもしれないのでアップしておきます。いぜん岡田利規さんがお客さんがスケッチしたのを見せに来たのを怒っていて、僕もどうかと思ったのだけど、なんか手が動いちゃうんですね。最近ぼくはあまりメモを取らなくなったのだけど、なんか動いちゃうんですね。手が。今日は9枚も書いてました。良くも悪くも。









  岡田利規さんの新刊》



エンジョイ・アワー・フリータイム

エンジョイ・アワー・フリータイム


(2010年2月24日)


■ きのう憧れの岡田利規さんに初めて挨拶をしました。「はー?だれ?」とか言われるかと思ったら、「ああ、ぼく柴崎友香フェア行きましたよ」って言ってくれてすごく気さくな人だったので拍子抜けしました。憧れて損した。ああ、もっと早く挨拶すればよかったと。もっともっと怖い人だと思ってました。もちろん稽古のときは本当に怖いのだろうけれど。。。


■ それで岡田さんが「観にきてくれたんだー」ってすごく喜んでくださったのだけど、えーと、実はほとんどストーカーみたいなことやってましてね。なんと言っても、僕がこうやって演劇を観るようになった全てのはじまりは、岡田さんの『ゴーストユース』なのです。



   《観劇記録》


岡田利規 作・演出『ゴーストユース』2007年11月20日(火曜日)


チェルフィッチュフリータイム』2008年3月7日(金曜日)


岡田利規演出『友達(安部公房)』2008年11月11日(火曜日)


岡田利規演出『タトゥー』2009年5月17日(日曜日)


チェルフィッチュ『わたしたちは無傷な別人であるのか?』2010年2月23日(火曜日)

それで過去ログをチェックしていたら『フリータイム』の感想文の近くに島袋さんがいたから、この詩すごくいいからアップしておきます。


 島袋道浩『鹿をさがして






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