鰰『動け!人間!』




    


《演劇》鰰 hatahata第一回公演




タイトル: 『動け!人間!』


    なんとなく『深海魚』と呼ばれている方


    なんとなく『淡水魚』と呼ばれている方



構成・美術: 神里雄大×白神ももこ

■■出演


[深海魚]


兵藤公美  太田緑ロランス


櫻隼人(マックミック


武谷公雄  羽太結子


宮崎晋太朗  米田沙織



[淡水魚]


今井理恵  川崎麻里子  斉藤美穂


篠崎大悟(口口) 菅田将輝


高須賀千江子(輝く未来) 中林舞(快快)


中村早香(ひょっとこ乱舞)


平館宏大  森下なる美(森キリン)



■■スタッフ


照明: 伊藤泰行
音響アドバイザー: 高橋真衣
制作: 野村政之・宮永琢生・岡崎龍夫・寺田千晶
製作協力: 尾形典子(アゴラ企画)
技術協力: 鈴木健介(アゴラ企画)
芸術監督: 平田オリザ


■■日程


2010年4月16日(金)〜5月5日(火・祝)



■■場所


アトリエ春風舎



■■チケット


こちら

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《感想文:観客は共犯者である!》




 



■ 2つの公演を観ると一日潰れてしまいますが、ぜひご覧ください。


■ 神里雄大(演劇)と白神ももこ(ダンス)、いわゆる「なんじゃこりゃ?」という作品を得意とする二人が組んで立ち上げた公演で、二人をかけ算したら「まともになった」なんてことはなく、「なんじゃこりゃこりゃ???」ってな感じになってます。はい。


■ しかししかし、そんな「なんじゃこりゃこりゃ作家」のお二人は、まだまだまだまだ若いにもかかわらず、すこぶる面白い考え方をしています。特に[淡水魚編]は思い切った企画で、完成作品を上演するのではなく、まだ完成に至っていない創作過程の一日一日を公開するというものです。


■ 彼らの声を聞いてみましょう。



   《公演によせて》[淡水魚編]

  神里雄大(岡崎藝術座)



ご来場ありがとうございます。


このプログラムは創作過程を公開するもので、さらには普段僕がやっているようなあらかじめ台本を書いてそれをどうにかするというような(もしくは誰かの戯曲をどうにかするというような)ものとは違い、何かのイメージから発展させていくということをやっていきます(だから即興とは全然ちがいます)。台本というかセリフの必要性が発生すればその場で書きます。


なので、どういう作品ができあがっていくのかわかりません。ちなみに、この場合の作品というのはプログラム中に目指している何らかのゴール地点のことです。無責任のような言い草ですが、わからないほうがこの場合いいと思います。白神のことは知りませんが、僕は普段から演出プランのようなものを固めてそれにそって作るようなことをしないので、そういう意味で普段どおり、行き当たりばったりの(言葉はあまりよくないですが)スリリングなものを作っていけたらと期待しています。


期待しているというのは少し主体性に欠けるような響きをしていると思います。なぜこのような言い回しをしたかと言うと、観客の皆さんが今回は観客でありえるのかということを疑っているからです。疑っているというよりも、そもそも僕は観客が純粋な“観客”ではないと思っているので、それが普段よりも明確になったらいいと思っています。


どんなに一生懸命稽古をしても本番のステージ1回ですぐに打ち消されてしまうこともよくあることです。ですから今回のこのプログラムでは観客の皆様にもなるべく積極的に作品つくりに介入していただけたらいいなと思い、そういう意味でも期待しているという言い回しを使いました。


たぶん、創作の段階で意見を聞くこともあると思います。しかしそれに答えてもらうことが作品に介入するということではないです。その過程を見ること、キャストがリハーサルの段階で観客に見られること、こういったことがすでに介入であるわけですが、それは今さら改まって書くようなことではないと思います。が整理の意味をこめて書きました。


また、キャストたちはその作品を最終的に誰に向けて発表するのか、ということについてとても僕は楽しみにしています。




 白神ももこ(モモンガ・コンプレックス)



↑上で、神里が全て言ってしまっているので、短めにします。立ち合う、見ることが創作における大事な仕事だとするならば、この場に居合わせたすべての人が作者であり、共犯者である、と思います。


普段の上演作品を観るときもきっと同じことなんだと思います。


そんなの分かりきったことなのかもしれませんが、実際に改めて実感するってのがこの企画かな、と。


私は役割上、始終尻を客席に向け続けてしまうことになりますが、だいたい先頭にいるときよりもすぐ後ろにいるときの方が周りが見やすいことが多いので、いろいろ頼りにさせていただきますね・・・。


よろしくどうぞ。

■ こういうことを考えて、実行してしまう訳ですよ。実際体験しましたが彼らの狙い通りに行ってましたよ。


(※ただ観客は前日までの稽古の流れを知らないので、「なぜこのシーンが問題になっているのだろう?」と理解するのに時間がかかって追いつけなかった等の問題はあった。そのあたりはうまくフォローして欲しい。そうすれば観客ももっと積極的に観ることができる。)




■ 最後に私の感想を手短に


  [深海魚編]


ストーリーがないとは言わないけれど、ほとんどない。イメージの連鎖でどんどん展開していくのでついて行けなくなったり、分からなくなったりもする。でも、ちゃんと感触は伝わってきて、観ていて退屈したりキツイとは思わなかった。


特筆すべきは、作品の《美しさ》。これは私の感性からはまず生まれてこないタイプの《美しさ》だし、今までに感じたことのない《美しさ》だった。


この《美しさ》について。


白神ももこさんという人で説明すると分かりやすいので言うと、言ったら怒られるかもしれないけど言うと、白神さんはいわゆる容姿端麗というタイプの女性ではないし、巷でもてはやされている「品格」という感じでもない。すごく気さくな人。それで、白神さんのダンスはなんとなく伝統舞踊みたいなイメージもするけど「伝統美」ではない。でも体の使い方や力の抜き方などが絶妙で、生まれる動きがとにかく《美しい》のだ。([淡水魚編]ではそれが《妖しい》になるが)



この《美しさ》が最大の収穫。


   [淡水魚編]


■ 稽古の時間は長くもあり短くもあり、密でもありゆるくもあり、不思議な感じ。


■ 俳優がけっこうダメだしされていたけれど、それでも俳優の適応能力の高さには率直に驚いた。


■ [淡水魚編]はネタバレしてもいいと思うので書く。23日の公演の山場は序盤の「マッサージ」のシーンがなくなったこと。序盤は《温泉》のいろんなシーンがどんどん展開していくのだけど、その中でマッサージのシーンを椅子に座って演じていると、なんだか「美容院」に見えてしまってしっくりこなかったので修正。


この修正によって序盤は良くなった。《温泉》というイメージが観客にもちゃんと伝わるようになった。そして、さらに《温泉》が今度はなんだか《地獄》に見えてくるという、なんとも恐ろしい様相も呈してきた(汗。。。


■ これからどうなるんだろう???



【追記】


■ 高須賀&中林のツッタカはのりお師匠を超えたと思われる。




※ photo by montrez moi les photos






  《白神ももこ 過去公演 感想文》


白神ももこ『すご、くない。




  《神里雄大 過去公演 感想文》


岡崎藝術座『ヘアカットさん


神里雄大グァラニー










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