はえぎわ『ガラパコスパコス』
はえぎわ第26回公演
ガラパコスパコス
作・演出： ノゾエ征爾
出演： 柴幸男（ままごと） 井内ミワク
滝寛式 鳥島明
川上友里 踊り子あり
笠木泉 町田水城
ノゾエ征爾 たにぐちいくこ 新名基浩
鈴真紀史 山口航太
竹口龍茶
金珠代 松森モヘー 萩野肇
期間：2013年6月7日〜6月16日
会場：三鷹市芸術文化センター
《感想》罪か罰か？
あっ、原さんだ！
《ガラパコスパコス・１》
観てよかったーって思える作品だった。ごく身近な日常的なことを思ったり、じぶんじしんの恋愛を振り返ったり、ドストエフスキーを読みたいと思ったり、人類とは何か！と思ったりした☆
《ガラパコスパコス・２》
いわゆる群像劇で、これほど近い距離にいる人たちが、ま、何やってんだってくらいバラバラで、他人には言えない事情やら、習慣やら、性癖やら… 隣の町はガラパコス、いや、わが町はガラパコス、いやいや、我が家こそガラパゴス！イエ〜イ！
《ガラパコスパコス・３》
劇団はえぎわは、ここ数年、高齢者施設で巡回公演をしているからだろう、「老い」についての問題意識が高い。このあたりの問題は臭い物には蓋をしろ的な、できることなら知らないでいたい、知らないふりしていたいと思うのだけど…
《ガラパコスパコス・４》
このような問題に目をつむることなく、逃げることもなく、雨にも負けず、風にも負けず、はえぎわは、着々と進行している☆
《ガラパコスパコス・５》
さて、今回は、老人ホームから失踪した老女を若い男がかくまっていたという話だったけど、どうだろ？ 例えば、ザ・シャンプーハットの赤堀ならドキュメンタリータッチでシリアスに描いただろうし、映画監督のコーエン兄弟なら、もっと不条理性を際立たせたことだろう。
《ガラパコスパコス・６》
他方、ノゾエは至ってシンプルというか、もっと素直に見せようとしていたかな、確かに、おかしい、異常だろって思うけど、ま、ありえなくもないよなー、ありえなくないけど、こうなっちゃうとやっぱマズいよなー、社会的に許されないよなー
《ガラパコスパコス・７》
でも、このあたりが複雑で、認知症の老女が家に雪崩れ込んできたようなもので、下手に外に出す訳にもいかず、ずるずると看病しているうちに、恋心を抱くようになるってことはある訳で、それでもやはり若い男が老女に恋をしたらダメなのか？
《ガラパコスパコス・８》
捜索願いが出ているからダメだ、警察に知らせるべきだ、確かに社会的な手続きとしてはそれが正しいが、老女と触れ合っているうちに、彼女の本心のようなものを感じ取るってことはある。でも、それは説明できず、説明できないからダメで、これはやっぱり罪になるのか？
《ガラパコスパコス・追加》
あのさ、この若い男には兄がいて、つまり彼は弟なのだけど、なぜか名前が太郎で、ま、太郎が必ずしも長男である必要はないわけで、ま、そんなことはどうでもいいわけで、、、そういうことじゃなくて、何が言いたいかと言うとこの若い男（弟）は、なぜ老女を感知することができるのか？
この男、なんか、いつも、おどおどしているんだよ。いやヘタレっていうんじゃなくて、まあ、直接的な言及はないのだけど、この兄弟がなんだか『レインマン』の兄弟みたいに思えるところがあって、特に弟が数学がすこぶるできるとか、かと言ってろくな仕事をしていないだとか、大道芸人、ピエロをやってたり。う〜ん、だから端的に言うと、この若い男、ちょっとサヴァン症候群の兆候がある。
《ガラパコスパコス・９》
ちょっとややこしい話になったけど、もう一度《８》に戻って、もう一つの問題を確認しよう。この若い男の行いは、罪になるのか？
『罪』、そうそう、僕はドストエフスキーの『罪と罰』を途中で読むのをやめたのだけど、何故かというと「人を殺したらダメだ」という自分自身の意識が揺らがなかったから。この意識が揺らぐ精神状態に陥ったら、また読もうと思っていた。
《ガラパコスパコス・10》
でも、『ガラパコスパコス』を観て、この若い男の精神状態って、『罪と罰』のラスコリーニコフの精神状態よりももっと複雑なんじゃないかと思って、この複雑さを理解するために『罪と罰』を今、読みたいと思ったのだ。
《ガラパコスパコス・11》
それから、ここまで若い男が老女に恋をするというわかりやすい話にしていたけど、それは嘘で、正確に言うと恋心ではない。もっと複雑なもの、 恋のようで恋じゃない、強いて言えば「繋がってる感」というか、目に見えないけど、確かな力。
《ガラパコスパコス・13》
ずるずると突き進むしかない、そうやって、ずるずるしているうちに家族やら、近隣やら、会社の人やらを巻き込んでゆく。ずるずると、そのうち、なんか若い男と老女とも関係ない人が変な事態を巻き起こしたりもする、ずるずると。これって何？ 「悪」？
《ガラパコスパコス・14》
コーエン兄弟の『ノーカントリー』を観たときぞっとしたのは、人は理由があって殺す／殺されると思っていたのが、意味もなくただ人を殺すという、「絶対悪」の塊ような人物を見せつけられたからだ。
《ガラパコスパコス・15》
対して、『ガラパコスパコス』の「ずるずる悪」というのは『ノーカントリー』の「絶対悪」の不気味さとはまた違う。実体がない。 「負のスパイラル」って言ったら、それで済むような気もするけど、そのプロセスで様々なタイプの「縛り」があったりして…
《ガラパコスパコス・16》
そもそも、これは「悪」なのか、「善」なのかわからないし、進んでいるのか、進んでいないのか、う〜ん、やっぱわからん？？？
《きょうの一言》
人類みなガラパコス
ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる
ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ずるずる ぐるぐる ずるずる ぐるぐる ずるずる ぐるぐる ずるずる ずるぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ずるずる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ずるずる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる
はえぎわ作品の感想
《関連書籍》
- 作者: ノゾエ 征爾
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2012/04/25
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
好評？連載中！こちらもよろしく！！
好評？連載中！こちらもよろしく！！
