玉田企画『果てまでの旅』




   


《演劇》玉田企画




タイトル: 『果てまでの旅』



作・演出: 玉田真也


■■出演


伊藤毅青年団) 緑川史絵(青年団


森岡望(青年団) 由かほる(青年団


鮎川桃果  植田ゆう希


大山雄史(五反田団


工藤洋崇  山科圭太


玉田真也



■■スタッフ


舞台美術:谷佳那香  照明:井坂浩(青年団


音響:池田野歩  衣裳:正金彩(青年団


制作:武藤香織、季麻倫子


イラスト・宣伝美術:小西朝子



■■日程・場所


2015年9月5日(土)〜 14日(月)@アトリエ春風舎






 《感想文:たまやん》






【演劇】玉田企画『果てまでの旅』

玉田企画初観劇。「玉ちゃんは面白いよ!」って噂を聞いて観に行ったのだけど、その通りけっこう面白かった☆ (以下ネタバレあり。観劇前に読んでも問題ないと思うけど…)




【演劇】玉田企画『果てまでの旅』(1)

今回の作品は、中三の修学旅行のお話で、世間的には中二病っていうのかな、気持ち的には「オレはもう大人だ!」って背伸びしてんだけど、まだまだ子どもっぽさを引きずってしまっていて、




【演劇】玉田企画『果てまでの旅』(2)

経験がないから、何をするにしても恥ずかしさがともなって、あるいは、その裏返しでみんながまだやってないことをオレはもうやってるぜ、知ってるぜ的な振る舞いをして、それがまたおかしな方向にどんどこどんどこ展開しちゃって、汗。。。




【演劇】玉田企画『果てまでの旅』(3)

アッチャー、なんかもう目もあてられない、と思いつつ、クスクス笑ってしまう。




【演劇】玉田企画『果てまでの旅』(4)

今回は中学校にいそうなキャラが一通り出てくる。スクールカースト的に1軍って呼ばれるイケてる、マセてるグループと3軍と呼ばれるイケてないグループ。ま、3軍的には大山くん(五反田団)は外せないよね(笑)




【演劇】玉田企画『果てまでの旅』(5)

玉田くんという人を初めてみたけど、彼の面白さというのは、この3軍にいつつ自分は3軍じゃないというか、かといってオレは1軍だぜ的な背伸びした感じじゃなくて、3軍にいつつ3軍を斜めから見る的な独特な視線とその独特な雰囲気かな。




【演劇】玉田企画『果てまでの旅』(6)

イケてない3軍のなかで、頑張ってる感じのふたり、大山演じる吉田くんと伊藤毅青年団)演じる加藤くんが場をつくる。彼らは無駄にエネルギーを発散している。




【演劇】玉田企画『果てまでの旅』(7)

対して、玉田演じる小池は、ほとんどエネルギーを使っていない。色白で、能面で、メガネをかけてすましてる。一言で言うとセコい。タイプ的には、ちょっと冬彦さんが入っているけどそこまで深刻ではなく、案外ノリはいい。




【演劇】玉田企画『果てまでの旅』(8)

もうひとり中学生のくせに楳図かずおのマンガをずっと読んでいる不気味な男子?女子?もいて気になったけど、やっぱり小池っていうのが一番の曲者だよなー、こいつ、高校、大学、社会人ってなったらどうなんのかなー、って一番気になった。




【演劇】玉田企画『果てまでの旅』(9)

あと面白かったのは1軍の子がいわゆる1軍の子とちょっと違った感じがしたところ。意外といい奴だったり小心者だったり、3軍のグループを馬鹿にするかと思いきや、そんな感じでもなくてけっこう馴染んできたり。




【演劇】玉田企画『果てまでの旅』(10)

これって3軍からの視線で1軍を描いているのかなー、「1軍のヤツって実はけっこういいヤツ多いんだよ」って。




【演劇】玉田企画『果てまでの旅』(11)

それから女子のグループ。あれは1軍じゃなくて2軍的な位置かな。恋愛に意識的ないまどきっぽい女の子ふたりと、ちょっと引いた感じの子と、さらに引いた感じの子の女子4人組。




【演劇】玉田企画『果てまでの旅』(12)

ここで面白かったのは、今どきっぽい女の子ふたり、鮎川桃果演じる麻里と植田ゆう希演じる由美。このふたりも、ちょっとがんばってんだよね。二人とも1軍の矢崎という男子をカッコイイと言って、ふたりとも彼のことが好きでケンカになっちゃって、、、




【演劇】玉田企画『果てまでの旅』(13)

でもやっぱり麻里の方がかわいいし、おそらくクラスで一番モテると思うから、麻里と矢崎がくっつくのが無難なのだけど、矢崎が麻里を好きっていう素振りがまったくないというか、いやいや、もっと気になるのが麻里じしんの本心だよね。




【演劇】玉田企画『果てまでの旅』(14)

麻里って自分で自分をかわいいって思っているだろうし、クラスで一番モテる男子(1軍)を好きになるのがイケてるって思っているんだろうけど、素の麻里は案外3軍の加藤を好きだったりするんじゃないか?




【演劇】玉田企画『果てまでの旅』(15)

3軍の加藤をバカにしつつも、加藤にコクられそうになってうれしそうにしていて、顔を真っ赤にした加藤に「全然好きじゃない!」って言われてスネてる麻里はかわいかった。




【演劇】玉田企画『果てまでの旅』(16)

3軍の男子を子ども扱いしてあしらっていながらも、まんざらでもないっていうあたりが中学生の女の子にありがちだよなーって感じもするし、




【演劇】玉田企画『果てまでの旅』(17)

女って大人になっても変わんないよなー、ステータスに最後までこだわる人もいれば、「えっ、オレでいいの?」って男の方がびっくりするくらい吹っ切れちゃう人もいるし、女って何考えているのか、男のどこをみて判断してるのか? ホントわからん???




【演劇】玉田企画『果てまでの旅』(18)

ま、そんなこんなで、一言で言うとどうでもいい話(笑)。でも、このどうでもいいというか、何にも起こらないぐだぐだな感じが、青年団とは違うし、また五反田団とも違って、けっこう新鮮だった。




【演劇】玉田企画『果てまでの旅』(19)

山下敦弘さんとのアフタートークで、玉田真也さんの考えていること、中学生に対する関心と俳優に対する関心、俳優の引き出し方を聞いて、面白いこと考えているなーって思ったし、それが作品としてちゃんと形になってきていると実感できた。




【演劇】玉田企画『果てまでの旅』(20・終)

玉田企画の次回作は来年の1月かー、一番忙しい時期だから何とも言えないけど、また観に行きたい☆






そう言えば、小学校3年のときの担任の名前が玉田だった。若くて、運動神経もけっこうよかったから、本来なら人気者になるはずの先生だったのに、先生としての素養がまったくないというか、職業柄、もう致命的といえるほど人をまとめる能力が欠如していて、初めは男子にからかわれていたのだけど、あげくに女子にもあしらわれていた。





「先生、みんなのことを信じてました...」





って、みんなの前で定期的に泣き出すのだけど、はじめのうちは「ちょっと悪い事したなー」って思ってかわいそうって思っていたのだけど、だんだん慣れてきてしまって、毎回泣く時にあごのあたりがぷるぷるふるえてきて、顔がだんだん真っ赤になってくるのがもう面白くてしかたなく、下を向きながらみんなけらけら笑っていた。モノマネもよくやった。





ちなみに、そんな玉田先生のあだ名は「たまやん」だった。














阪根タイガース


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