篠田千明『アントン、猫、クリ』
りたーんず♥六番勝負!!!!!!《第二試合》(4月27日)
タイトル: 『アントン、猫、クリ』
■■出演
カワムラアツノリ(初期型)
中村真生(青年団)
■■映像
天野史朗
■■サウンドデザイン
星野大輔
■■照明
富山貴之
■■日程・場所
2009年4月16・22・26・27日、5月3・4日
■■チケット販売
感想文:《篠田みた?》
A:「篠田みた?」
B:「うん、篠田でしょ。みたよ!」
A:「どうだった?」
B:「うん、篠田だったよ」
A:「やっぱ篠田だったでしょ」
B:「うん、やっぱ篠田だったよ!」
もうはっきり言って世代なんか関係なく篠田は篠田なのだけど、でもこれだと分からない人には分からないからちゃんと説明しておくと、『現代演劇用語の基礎知識』(未刊)によれば以下のように説明されている。
しのだ【篠田】
1.ぶっ飛んでいること。またはその人。
2.いっちゃっていること。またはその人。
3.
先のAさんとBさんの会話は、(1)(2)の意味でとってもらっていいと思うのだけど、そして今日見た『アントン、猫、クリ』も(1)(2)の意味で受けとめて構わないと思うのだけど、でもそれで要約してしまうのもどうかな?とも思う。(3)の意味をちゃんと読み解かねばと。ネタバレになるけど一番好きなシーン
雨雨雨、雨、雨雨雨、雨雨雨、
雨雨雨、雨、雨雨雨、雨、雨雨雨、雨雨雨、雨
雨雨雨、雨、雨雨雨、雨雨雨、雨、雨雨雨、雨、
雨雨雨、雨雨雨雨雨いやぁ〜、えらい降ったなぁ〜って、こんなのアリか!って思うけど、でもちゃんと伝わるよね(笑)
英語喋れないのにアメリカ行って
A:「Oh! That is very high !」
B:「Yeah! That's the Empire State Building.」
A:「Oh Yeah! high ! high ! very very high !」
A:「What's that?」
B:「Oh! That's the Yellow cab.」
A:「Oh Yeah! Yellow ! Yellow ! very very Yellow !」
文章作れないからほとんど単語だけなのだけど、これでいいじゃん!って思ったりもする。篠田の作品はまさにこんな感じで、母国語だとすぐに文章こねくり回してしまうところを発話のプリミティブな形態を(これはほとんど素(す)だと思うけど)、そのまま留めていたりする。そして、発話、音が発せられれば、それに身体というか、動きが連動するものだけど、篠田の場合、アメリカ人のゼッシャーなんか比にならないぐらい敏感に、発話・音・リズムに身体が呼応してくる。このあたりの感覚は他では見られない篠田オリジナルだと思う。
これって、小説家の保坂和志さんや磯崎憲一郎さんが小説でやっていることを身体性の強い演劇で鮮鋭にやっているのが篠田だ!なんて言えたりもする。このあたりが(3)の意味するところじゃないか。
しのだ【篠田】
1.ぶっ飛んでいること。またはその人。
2.いっちゃっていること。またはその人。
3.(1)(2)だけじゃないよ。なめんなよ。
[追記]
それにつけても、篠田の演出初めてだったと思うのだけど、カワムラさんや中村さんはちゃんとできるんですね。これが、なんでできるの?って正直不思議でした。役者ってどこまでできるんだろ???
※ photo by montrez moi les photos
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