中屋敷法仁『学芸会レーベル』



 りたーんず♥六番勝負!!!!!!《第四試合》(4月28日)

タイトル: 『学芸会レーベル』



作・演出: 中屋敷法仁柿喰う客

 



■■出演


川田希


伊東沙保  荻野友里青年団


大道寺梨乃(快快)


三澤さき


田中佑弥  川口聡


武谷公雄  今村圭佑(Mrs.fictions)


永島敬三



■■スタッフ


舞台監督: 佐藤恵


舞台美術: 佐々木文美


照明: 富山貴之


音響: 星野大輔


衣装協力: 飯田裕幸



■■日程・場所


2009年4月20・23・28日、5月1・2・4・5日


こまばアゴラ劇場


■■チケット販売


りたーんずWEB



感想文:《おい、ちょっと来いや。オモロイ奴おるぞ》




 



 【北島康介ふうに】

 チョーたのしい!!!!!


14歳がテーマのこの公演で、自身の14歳を振り返ってみたら、何の悩みもなかった。これまで演劇のことだけを考えて、演劇に打ち込んできた自分は幸せだった。そんな自分がキレるなんてありえない。だから過去を遡ると大学・高校・中学校・小学校では引っ掛からず、幼稚園まで行ってしまったし、記憶に残っている出来事と言えば、学芸会だけだった。


そんな中屋敷法仁をプロゴルファーに例えるならば、演劇界の石川遼くんといったところか。遼くんが観たらキレるかもしれないが、、、「シャツがピンクだからって、いっしょにしないでください!」って、まぁ許せ。


そんな中屋敷法仁をフィギュアスケートに例えるならば、演劇界の浅田真央ちゃんといったところか。真央ちゃんが観たらついつい、いつもの口癖で言ってしまうかもしれないが、、、「そうですね」。



で、実際そういうだけあって、中屋敷は本当にうまい。演劇を知り尽くしている感じがする。演劇に何が出来て、演劇で何をやればいいのかが全て分かっているという感じだ。


今回は、設定が幼稚園になってしまったし、そもそも楽しかった記憶しかない。そして、自分のやりたい劇場で、自分のやりたい役者と公演ができるのだから、これで自分が楽しめなかったらウソだ、とまず自分自身が最大限に楽しむ。稽古場もずっと楽しい雰囲気で通す。自分も楽しい。作品も楽しい。役者も楽しい。観客も楽しい。「楽しい」をとことん浸透させて、本当に「楽しい」を実現してしまう。



 あっぱれ!



小劇場に通いはじめてまだ1年ちょっとだけど、そんな私でも正直驚いている。この作品をまさかアゴラ劇場で観るとは思わなかった。


 チョーたのしい!!!!!


なんて2回も絶叫するとは思わなかった。アフタートーク中屋敷と役者陣との間で「スタンスの違い」という言葉が交わされていたけれども、これはアゴラ劇場の主である平田オリザのスタンスというよりは、どちらかと言えば唐十郎のスタンスだ。例えるならば、



 平田オリザ野村克也


 唐十郎長嶋茂雄

私はどちらかと言えば平田派で、小劇場と言えばアゴラ劇場、劇団と言えば青年団を軸に観劇している。でも、そうは言ってもやはり唐組の芝居も捨て難い。


 「よっ!待ってました!!」


なんて掛け声があがる演劇も大好きだ。唐十郎の千両役者っぷりはやっぱりいいもんだ。


中屋敷法仁を見ていると根っからの陽性っぷりが感じられ、これだったら平田オリザどうこうよりも、唐十郎をぜひ受け継いでもらいたいと思った。唐十郎を受け継げる人なんて、もう天然記念物みたいなものだから。


念のため断っておくと、これをアフタートークの際に中屋敷本人に確認してみたら、なんと、あっさり否定された。ただ、それは「唐十郎の作風云々ではなく、中屋敷と同郷(青森)の大先輩、寺山修司の受けとめ方が、唐と中屋敷では違う」というものだった。だから、私の主旨でいう唐十郎中屋敷法仁が通底していることを否定するものではなかった。


今回の作品を観て、これだけできるんだったら、ホント何でもできるんじゃないかと思った。強いて難癖をつけるとすれば、純文学と大衆小説とを区別するときに使う、いわゆる「文学性」と呼び得る何かがほとんど感じられなかったということだろうか。でも、これは、これから挑むセカンドステージの課題とすれば済むことだろう。



 中屋敷演劇ファーストステージの集大成》



『学芸会レーベル』

 思いっきり楽しんでください!!



 観劇をオススメします!!!




※ photo by montrez moi les photos




 中屋敷法仁の1冊》



ゲルマニウムの夜

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阪根タイガース


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