劇団競泳水着『全員彼女/全員彼氏』
《演劇》劇団競泳水着
タイトル: 『全員彼女/全員彼氏』
作・演出: 上野友之
■■出演
「全 員 彼 女」
倉田大輔
石井舞 一双麻希
武田杏香 中野あき(ECHOES)
古澤美樹
「全 員 彼 氏」
橘花梨
荻野祐輔(東京エスカルゴ。)
市川大貴 市原文太郎
毎川一輝 武藤賢人
倉田大輔
曽我祥之(四次元ボックス)
■■スタッフ
舞台監督:土居歩 松谷香穂
舞台美術:坂本遼
照明:島田雄峰(LST)
照明操作:佐伯香奈
音響:星野大輔(サウンドウィーズ)
音響操作:大矢紗瑛
宣伝美術:藤尾姦太郎(犬と串)
演出助手:津島一馬
当日運営:潮田塁
制作:寺坂智子
制作助手:松永直子、南帆子
企画・製作:劇団競泳水着
■■日程・場所
2016年4月8日(金)〜 17日(日)@下北沢・小劇場B1
《感想文:別れるか別れないかはあなたたち次第》
《劇団》競泳水着 初観劇!
恋愛群像劇を得意にしているという前情報をキャッチしていたから気持ちの整理はできていたつもりだけど、なんというか小劇場でこうも真っ正面から恋愛モノを見せ付けられると赤面してしまうというか、「いや、俺、別にそういうつもりじゃないから」と一体誰に向かって言っているのか? 「いや、俺、『冬のソナタ』も見てないから」と一体誰に向かって言い訳しているのか? 「いや、あのさー、おまえ何で『ビバリーヒルズ高校白書』なんてずっと見てられんの?」なんて言ったむかしの記憶なんかも蘇ってきたりして完全に動揺してしまった 汗。。。
なんか恋愛モノというかトレンディドラマは万人ウケするからテレビでやって、小劇場はもっとマニアックな小難しいモノをするという棲み分けみたいなのがあるように思うけど、よくよく考えてみるとそれもどうかと思うね。
《劇団》競泳水着を主宰している上野友之さんは、そのあたりの事情に意識的なんじゃないか。
恋愛モノ = 大衆ウケする = 低俗
難解モノ = インテリ受けする = 高尚
こうやって露骨に書くと多くの人は否定するだろうけど、こういう風潮は確かにあるよね。
上野友之さんは純粋に恋愛に興味があって、恋愛群像劇が得意だからそのスタンスを貫いているのかもしれないけれど、恋愛を掘り下げていけば、舞台で表現できることがまだまだあるということに勘づいているのだと思う。
で、今回の『全員彼女/全員彼氏』のストーリーはというと、これ、パンフレットにも書いてあるからネタバレしてもいいと思うのだけど、
彼女/彼氏が分裂して増えてしまうんです!!
はっ!?
このオチだけで白飯3杯は食えるっていうくらい《出オチ》感がぷんぷん漂っていて、『テルマエ・ロマエ』よろしく、設定がすべてというマンガにありがちなパターンかなって思っていたけれど、、、
確かに「彼女/彼氏が分裂して増える」という設定に度肝を抜かれたし、物語のなかでもそのシーンが見せ場になっていた。
今回は『全員彼女』と『全員彼氏』という内容は同じだけど、主人公が《男》バージョンの『全員彼女』と主人公が《女》バージョンの『全員彼氏』という2本立て。
『全員彼女』のほうはハーレム感が漂っていて、なんだかいい感じであり、羨ましくもあった。しかしながら、『全員彼氏』の方は絵的に正直恐かった。彼氏役の俳優陣が韓流ドラマよろしく爽やか男子を演じていたのだけど、小さな部屋に小柄な女性がひとり、その周囲に男が4人! はっきり言って、これはスーフリだろ 汗。。。(女性のお客さんは楽しそうに観ていた気がするけど…)
なんて感じで、まあ、楽しいシーンではあったのだけど、本当のオチはそこではなかった。
この作品は、男と女の出会いと別れがテーマになっていて、後半一気に引き込まれた。結末に異論はないし、なんだかすごく納得させられてしまった。
恋愛あるある
でも、同じようなシチュエーションで全く逆の結末になることもあるし…
《恋愛》って分からないなー
《人間》って分からないなー
劇中、想っていたのは韓流ドラマ。俳優の醸し出す雰囲気がなんかそういう感じがしたから。だけど、韓流ドラマは幾多の困難を乗り越えて愛し続けるという《過剰な愛》が物語を突き動かすチカラになっているのに対して、この作品は物語を突き動かすチカラらしきものがない。なんとなくなんとなくという感じ。そういう意味では『全員彼女/全員彼氏』は全然韓流ではなかった。
むしろあれかな?
サマーってホント分からないなー
《まとめ》
カップルで『全員彼女/全員彼氏』を観劇して、その晩にふたりで『500日のサマー』をDVDで一緒に観よう!!
別れるか別れないかはあなたたち次第!!
好評?連載中!こちらもよろしく!!
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