月刊「根本宗子」第12号『忍者、女子高生(仮)』




   


《演劇》月刊「根本宗子」第12号




タイトル: 『忍者、女子高生(仮)』



作・演出: 根本宗子


■■出演


根本宗子 


梨木智香 


あやか(以上、月刊「根本宗子」) 


大竹沙絵子


川本成(時速246億) 


小沢道成(虚構の劇団) 


猪股和磨 


土屋シオン



■■スタッフ


舞台監督 金安凌平 川田康二
舞台美術 泉真
音響 中田摩利子(OFFICE my on)
照明 正村さなみ(RISE)
照明オペレーター 中佐真梨香(空間企画)
衣裳 山�忍(TEAM・H)
宣伝美術 
[デザイン]増田ぴろよ
[写真]永峰拓也
[衣裳デザイン&スタイリング]さくらいかおり
[ヘアメイク]Masayo
演出助手 伊藤香菜(劇団ふくらはぎ) 田巻篤
制作補佐 安達咲里
制作 会沢ナオト 後藤由香理(team#BISCO)
企画・製作 月刊「根本宗子」



■■日程・場所


2016年4月23日(土)〜5月1日(日)@下北沢 ザ・スズナリ






《感想文:なんじゃらほい?》



月刊「根本宗子」初観劇!






2月に《二月のできごと》に出演していた梨木智香さんつながりで、噂の月刊「根本宗子」を初観劇!





面白かった☆





演劇界って男女のバランスがいいっていうか羨ましいっていうか、同じ芸術界といっても、僕がいた建築界は工学系にカテゴライズされていることもあってやっぱり男が多かったし、職人はほとんど男だし、逆に美大なんかはほとんど女子大みたいなもんだし、スポーツ界は男女別れているし、ビジネス界はまだまだ男が多いってことで、僕も生まれ変わったらビジネス界から足を洗って演劇界に入ってかわいい女優さんと結婚するぞ!





って話が来世にすっ飛んでいってしまったが、話を現世に戻して、そんで何を言おうとしていたかというと、そんな演劇界であっても女性が劇団を率いるっていうのはまだまだ数えるくらいしかなくて、月刊「根本宗子」を観に行った一番の興味はそこ! 女性で劇団を立ち上げた根本さんってどんな人だろ?って。





女性と言えば、最近、観劇して惹かれたのは《KAKUTA》の桑原裕子さん。《KAKUTA》は旗揚げしてもう20年も立っているから大所帯になっていて、桑原さんは、よくもあれだけのメンバーをまとめあげていけるなーって感心した。




左:桑原裕子さん





あと《毛皮族》の江本純子さんもリーダーとしての才能がすごい!




江本純子さん





彼女らは、姐御肌っていうか器量があって、男がみても惚れ惚れするっていうか、「舎弟にしてください!」と跪いて頭を下げたくなるような人たち。





カッコイイ!!





でも根本宗子さんは違った。





根本さんは飄々としたふつうの女の子だった。




根本宗子さん




そういう意味では、芥川賞を受賞した本谷有希子さんに近いかな?




本谷有希子さん





本谷さんもふつうの女の子といえばふつうの女の子で、でも何がすごいって、劇団員がじぶん一人の劇団であるにもかかわらずPARCO劇場で公演を打ってしまうという度胸っていうか...





あっぱれ!





最近は男の方が線が細くなってきていて小劇場から出ていこうというタイプのリーダーがあんまりいない。演劇界は優秀な人が多いけど、棲み分けしているというか、なんか閉じこもってる感じがする。よくも悪くも。





そうなると、根本宗子さんは、ポスト本谷有希子!って感じなのかな?





そうそう、本谷さんで一番印象深いのは、永作博美さんの才能をうまく引き出したってこと。本谷さんの舞台に立って永作さんが一皮むけたというか、あのころからだと思う、永作さんの演技にふくみが出てきたのは。




永作さんが出演した「幸せ最高ありがとうマジで!」のポスター





そういう意味では、きょう初めて観たけど、根本さんも女優の使い方がうまい。きょうは誰か一人っていうわけじゃなくて、大竹沙絵子さん、梨木智香さん、あやかさん、そして根本宗子さんの4名の女優が出ていたけど、ちゃんと個性が出ていた。あくまでもお芝居だからぞれぞれの役柄というのがあって、個性を抑えねばならない点もあったけど、パンフレットを見るとまるで《アイドルユニット》のよう!




本公演のパンフレットより





こういうのは演劇じゃないって、かたくなに否定する人もいるかもしれないけれど、舞台に立つってことはやっぱり特殊な才能であって、そうやって舞台に立てる人っていうのは人を惹きつけるチカラがあるのだから、人を惹きつけるチカラをもっともっと前面に出したらいいって、きょう改めて思った。





あと月刊「根本宗子」の男性陣については、これは本谷さんの座組と似ていて、演技に安定感のある俳優を起用していた。今回で言えば、川本成さん、小沢道成さん、猪股和磨さん、土屋シオンさん、堅気な人からくだけた人までを幅広くこなせる安定の演技、そんな男優陣に女優陣をぶつけてゆくことでお互いを引き立てる。










「忍者、女子高生(仮)」という作品は、家族をテーマにした作品で、とあるトンデモな家族が描かれていたが、いちおうちゃんとした演劇だった笑。





家族について誰しもが感じている普遍的なテーマを《女子高生》と《大人たち》、《男》と《女》、《血のつながった家族》と《結婚して家族になった者たち》といった対比をうまく織り込みながら、時にぐっとくるセリフやジーンとくるシーンがあって、グサッときたり、怒りを感じたり、けっこうさらっと書いている割にはうまかった。が、





いやー、まー、あのー、そのー





もうねー、設定が滅茶苦茶っていうか、展開が読めないっていうか、はっ? 何それ? ええっ?





なんじゃらほい!





本谷さんもぶっ飛んでいるけど、根本宗子のぶっ飛び方はそれとは違うなー





根本宗子はもう全然、本谷有希子じゃない。









うんうん、根本宗子って、どっちかと言えばこっちだよね。大森靖子って、批評でもすでにけっこう論じられているけど、なんなんだろ? アイドルなのか? サイケなのか? もうなんだかわかんなくなってきた。女の子が…









うんうん、根本宗子って、どっちかと言えばこっちだよね。でんぱ組.incって、批評でもすでにけっこう論じられているけど、なんなんだろ? これってアイドルなのか? ビジュアルアートなのか? もうなんだかわかんなくなってきた。女の子が…










きょうは作品の中身にはあまりふれなかったけど、こういう感想文を書く時もある。





きょうは兎にも角にも根本宗子っていう、なんじゃこいつ?っていう演劇人を目撃したってことで!






根本宗子さん、本公演パンフレットより





ところで、あの子、どんな男の子になるのかな???





これからがたのしみ!!!





ありがとうございました☆





皆様も是非!!





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忍者、女子高生(仮)













阪根タイガース


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